ラインスキャン検査:レンズを疑う前の8つのチェック

ラインスキャン系の不調は、光学そのものより設備統合(セル調整)に起因することが多いものです。レンズを交換する前に、次の8項目を原因の多い順に確認してください。

1 — ピントは走査線全体で合わせる

エリアカメラは一点にピントを合わせますが、ラインスキャンレンズは走査幅全体でシャープでなければなりません。中央で合わせた後、走査線の両端も確認します。LSシリーズはフィールドカーブを低く抑えており、1回のピント合わせで端まで有効です。ただし次の2項目が満たされているのが前提です。

2 — 光軸をウェブに対して直角に

光軸が傾くと、画像の片側だけ解像が落ちたり、幅方向で倍率が変わったりします。精密な直定規を撮像して、走査線の両端で同じ幅に映るまでカメラマウントをシム調整します。

3 — 正方画素:エンコーダ倍率

ウェブが1ラインあたり12µm進むのに画素が7µmなら、全ての物体が走査方向に1.7倍に伸びます。エンコーダ倍率を「1ラインあたり移動量=画素ピッチ」に設定すれば、両軸で幾何が正しくなり、方向依存の補正は不要になります。

4 — 露出時間と搬送速度

最大露出 ≈ 画素ピッチ ÷ 搬送速度

300mm/s・画素7µmなら、露出は約23µs未満に抑えます。さもないと走査方向に像が流れます。短くできないなら照明を増やすか絞りを開くのが先で、生産ラインを減速させるのは最後の手段です。

5 — 照明の開口をレンズの視野に合わせる

照明はワーク面で走査幅全体を均一に覆う必要があります(明視野・暗視野の幾何も欠陥種別に合わせて)。レンズ視野より10%狭い照明は画像端を暗くし、「レンズ不良」に見せかけます。

6 — イメージサークルがセンサーを覆うか

ラインスキャン形式とイメージサークルを対応させます。4K×7µmはφ32mm、8K5µmはφ46mm、8K7µmはφ62mm、16K5µmはφ82〜φ90mm。大きい形式用レンズを小さいセンサーに使うのは問題ありませんが、逆はケラれます。

7 — F値:ウェブの.SetFloat揺れに対する被写界深度

ウェブの上下動(flutter)はZ方向の被写界深度を消費します。flutterの変動幅を被写界深度が覆うようF値を設定し、そのF値で解像を検証します。ベンチ開放のまま評価しないこと。

8 — 温度と振動によるドリフト

設備が動作温度に達した後にピントを再確認し、フォーカス・絞りのロックスクリュー(FA・LS鏡筒に標準装備)を締めて振動による設定ズレを防ぎます。

センサー形式とイメージサークルから機種を絞るにはラインスキャンシリーズの表またはレンズセレクターをご利用ください。光学計算の詳細はラインスキャン選定ガイドで解説しています。

それでも直らない場合は

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